フィンランド語学習に役立つ「やさしいフィンランド語ニュースselkouutiset」
フィンランド語の勉強を進めているとき、教科書以外にちょうど良い教材を探すのはなかなか難しいですよね。
フィンランド映画を観てみたり、YouTubeを探してみたりしてもそもそも数が少なく、見つけたとしてもpuhekieli(ぷへきえり:話し言葉)が文法通りではないから勉強の復習には役立たなかったり......。
そんなときにオススメなのが、やさしいフィンランド語でニュースを伝えるselkouutiset(せるこうーてぃせっと:clear news、またはuutiset selkosuomeksiうーてぃせっと せるこすおめくすぃ)。
Yleはフィンランドの国営放送で、日本のNHKにあたります。
NHKもやさしい日本語のニュースを発信しています。これは主に日本に住む外国言語話者が日本語で日本のニュースを理解するためのものです。外国語話者=全員英語ができる、とは限らないので、英語で伝えるだけではなく、やさしい日本語でも伝えるんだとか。
フィンランドにも外国にルーツを持つ人が多く住んでいる(2021年時点で人口の8.5%が外国人)ので、NHKと同様の理由からselkouutisetが配信されているのだと考えられます。
selkouutisetの勉強活用法
ここからは私が行っているslekouutisetを活用したフィンランド語の勉強方法をご紹介します。
1. フィンランド語を毎日聞く・読む
言語を習得する一番の近道は、その言語に浸ることのできる環境に身を置くことだと思います。私がフィンランド語を習得できたのも、フィンランドに住むことができたからです。
ですが、日本に住んでいる間にフィンランド語しか聞かない、話さないというのは、とても難しいことですよね。そこで、次に目指したいのは、フィンランド語に触れる頻度を増やすことです。
私の経験から、月1回60分のフィンランド語教室も楽しいですが、10分でもいいので毎日フィンランド語を聞く、読む方がフィンランドに住んでいるような環境に近づけるのではないかと考えています。
また、毎日頑張ってフィンランド語に触れるとしても、同じ教科書を繰り返し読むのではどうしても飽きてしまいます。やっぱり毎日違う内容のものにも挑戦したくなりますよね。
selkouutisetの内容はもちろんニュースなので毎日更新されます。約5分ほどの動画で、その日のニュースが3〜5つ紹介されているので、スキマ時間の勉強にぴったりです。
私はフィンランド語の勉強時間の最初にselkouutiset聞くことで、自分の中のフィンランド語スイッチをONにするようにしています。
2. シャドーイングする
ご存知の方も多いかと思いますが、シャドーイングとは音声を聞きながら、ワンテンポだけ遅らせて音声と重なるように復唱する、言語の練習方法です。
フィンランド語が話せるようになりたいと思っていても、会話をする機会はなかなかありませんし、文章をただ音読するだけではそれが正しいのか判断が難しいですよね。シャドーイングは復唱することで一人でスピーキングの練習ができるのです。
selkouutisetの音声コンテンツはとてもゆっくりなペースで読み上げられているので、シャドーイングにはぴったりです。
ゆっくりすぎてネイティブのようにすらすらと話す練習にはならないかもしれませんが、フィンランド語のイントネーションやアクセントを真似て練習することもできます。
またフィンランド語の格変化は形容詞や名詞が連動して変化することがほとんどなので、ある種のリズムのような部分があります。シャドーイングで口に出して練習することで、格変化を体で覚えていくこともできるのでは...と密かに思っています。
3. フィンランドの重要なニュースを知る
これはニュースを聞いたり読んだりするのだから当たり前なのですが、selkouutisetで発信されるニュースは厳選されたもので、フィンランドに住む外国語話者にどうしても伝えたい程に重要なニュースです。また、彼らが生活で困らないようにするためのニュースですので、実生活に密接した内容が取り上げられています。
フィンランドの重要なニュースを知っておくのは旅行前や留学前に、自分がフィンランドで困らないためにも役立つでしょう。(本記事執筆時には全国的なバス運行会社のストライキのニュースが報じられており、これを知らずに旅行にいくと大変だろうな...と思っています)
また、フィンランド語検定では、「身の回り(家庭内やグループ内)で起こることが理解できる」を初級とし、「身近な社会で起こることが理解できる」を中級としています。このことからも、selkouutisetの理解は中級、つまり市民権申請に欠かせないレベルだということがわかります。
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